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リタイアする際に、妻から「何をするのか」と問われ、幾つか回答した。
その一つが、孫用のオモチャ作り。
退職の年に、初孫が生まれた事、自分自身が鉄道模型やマイクロマウスに興味があった事、 さらには津川雅彦さんの「おもちゃ屋グランパパ」の設立趣旨に感銘していた事などから思い付いた。
孫の成長に合わせて、自分の楽しみが広がる良い案だとも思った。
それから8年がすぎ、今回、節目を迎えたので、まとめてみた。


Phase0 最初の工作2014年 孫兄0歳波

バルサ材をカッターで切って、ボンドで張り合わせ、超軽量の積み木を作成した。
塗料は、舐めても問題ないように、ドイツ製の自然塗料なるものを使用。
三角形の定理など思い出しつつ、工作を楽しんだ。
中に鈴を入れたり、ビーズを入れたり、アイディアの詰まった、
そして時間もかけた自信作(自画自賛)。
綺麗に箱に入れて、うやうやしく渡したのだが、孫は、積み木としては使わず、投げたり、ふんづけたり、手でやぶいたり(薄いので)、破壊の対象にしてしまった。 もう、何も残っていない。
積み木は軽ければ良い訳ではなく、ある程度の重みが必要だと学んだ。


Phase1 その辺のもの 2015年~2016 孫兄2歳~3歳、孫弟0歳

工作という程の事ではない。
新聞紙・チラシ・段ボール等、材料費がほとんどゼロでカッター、ハサミ、ボンド、セロテープで加工・組立できるものばかり。
まだまだケチだった時代。インターネット上のお父さん・お母さんの工作例をよく参考にした。
折り紙カイト、パラシュート、風船太鼓、トミカミニカー用ジオラマなどを作成。
大会があるくらいだから、紙飛行機でも、はまると面白いものだなと思う。
今更、ベルヌーイの定理でもないので、深入りはしなかった。
紙鉄砲は、どうしてあんな大きな音がでるのか、不思議。折り紙は、考えた人が凄いと思うし、紙はとても便利な発明品だと思う。


Phase2 電子工作 2018年~2019年 孫兄5~6歳、孫弟2~3歳

紙や段ボールでは、もう孫は喜ばないので、電子工作に移行。久々に半田ゴテと格闘した。
「子供の科学」にでている電子工作の幾つかにトライ。
音に反応してプロペラが回る「アアアファン」はなかなか面白く、大好評だった。
気を良くして、手をかざすと音がでる玩具「ルクスサウンダ―」を作ったが、上手く作動せず。選んだフォトトランジスタ―が悪かったらしい。
更に、スピーカーのマグネットに半田ゴテがくっつき、コーンを破いてしまった。
半田作業が嫌になって終了


Phase3 マイコンボード「Arduino」 2020年 孫兄7歳、孫弟4歳

小学校でも使うというマイコンボードに挑戦。
マイクロマウスに発展させようとの狙いもあった。
電子回路は、ブレッドボードという、半田で固定しない回路盤を使う事にした。
これ、とても簡単・便利。
尚、小学校では、「Raspberry Pi」というマイコンボードらしいが、両方学んじゃおうと思って、敢えて違うタイプの「Arduino」を使った。 これが、思いのほか楽しいもので、交通信号機、ゾートロープ、電子楽器、プラレール遮断機、光を追いかけるネズミ・Bluettoth で遠隔操作する走行ネズミ(タミヤの模型の改良)などを作成した。
いずれも、孫達は、そこそこ楽しんでくれた。特に、手をかざす位置によって音が変わる電子楽器が好評だった。
一番の大作は、プラレール遮断機。
Arduino プラレール用遮断機 - YouTube


Phase4 3D-CAD&3D-Printer 2021年 孫兄8歳、孫弟5歳

3D-CAD ソフト:Fusion360を使用して、孫兄がやり始めた(実は父親がやっている)ミニ4駆のボディのデータを作り、 3D-Printerで造形してもらった。図書の通りに作成しただけなのだけれど、結構骨が折れて、造形物が届くまで不安だったが、 ちゃんとできた。
爺様の株があがったようである。
婿殿達も、尊敬の眼(?)
3D-CADを始めたのは、3次元ゾートロープのフィギア―やロボット、鉄道模型の車体を作ろうとの将来計画があったからなのだが 、このソフトを習得して使いこなすのは、とても大変でギブアップである。
一年かけて、やっと一つ作れただけ。途中で何度も投げ出そうと思った。
一方、このソフトが家の家具の配置を検討するのに、とても便利な事がわかって、そちらで重宝した。

こうして振り返ってみると、随分時間を使った気がしていたが、退職後に行う事の一つと宣言したほどの実績がない。
最終目標は、蒸気機関車を作る事だったのだが、もう、これは途方もなく大変な事がわかってきて、お手上げ。
旋盤など金属加工の知識・経験も皆無である。
でも「孫用のオモチャ作り」は約束事なので、何かやらざるを得ないし、面白いので続けたい。
今、次はどんな事をしょうかと悩んでいる。



Copy right all reserved by Taibun 2021 November 15